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| 2002年10月14日更新 |
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鎮魂の色重ねゆく実むらさき |
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第 13 章 |
実むらさき |
平成13年作品 |
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新 年 |
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| かけはしのわづかに揺るる去年今年 | 新世紀いとやはらかき初明り |
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は る |
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| 引き返す道はそれぞれ春の旅 | 春の地震思ひがけなきこと多し |
| ひとひらに意志あるごとし桜散る | 自在なる行方もあり桜散る |
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な つ |
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| 推敲や垣を越へたるすひかづら | ビル風をはや捕へたり鯉のぼり |
| 泣き声も混じりてプール開きかな | 一寸に足らざる油断夏の風邪 |
| 夏負けて紙一枚の重さかな | 慣れといふ逃げ道もなき暑さかな |
| 天辺の花も横向く立葵 | 明易し母の寝息を聞きしことも |
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あ き |
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| コンビニの団子売り切れ雨月かな | 鎮魂の色重ねゆく実むらさき |
| 爽やかや手話にてかはすありがとう | |
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ふ ゆ |
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| 聞き分けてをりしりんごの独り言 | 風止みて聞きしりんごの独り言 |