2002年 7月21日更新















月下美人星の雫となりにけり

5月31日、Soccer World Cup Korea&Japan大会が韓国で開幕し、世界中の人々を熱狂させました。横浜で行われた決勝戦はブラジルがドイツを2−0で破り、世界の頂点に立ちました。
初のベスト4に入った韓国チームの活躍や、決勝トーナメントまで進出した日本チームの健闘もあって、大いに盛り上がりました。審判の判定やチケットの問題など課題を残しましたが、6月30日、成功裡に閉幕しました。
私はテレビを持たない生活をしています。ラジオで実況を聞いてはみたものの、サッカーのルールを知りませんので、あまり興味が湧きませんでした。しかし、インターネットや新聞で情報を得るに従って、もしかしたら、これはすごいことなのかもしれないと思い直しました。アジアで初めて開催されたということも含めて、歴史が動いた瞬間に参加できたような気がしました。もし、実際にゲームを観戦していたらもっと違った感動を体験できたことでしょう。無関心からは何も生まれないようです。そして、7月。台風が相次ぎ、夏を連れてきました。上手に 暑さと付き合って、夏を乗り切って下さい。
今回は平成12年の作品「月下美人」をご紹介します。
「読者のページ」は、投稿して下さった人毎にページを作成しました。また、「リンクページのご案内」ページを新設し、リンクさせていただいているホームページのご紹介をしています。

平成12年はオリンピックイヤー。シドニー五輪・パラリンピックではマラソンの高橋尚子・柔道の田村亮子選手など女子選手が大活躍。また、白川英樹筑波大学名誉教授がノーベル化学賞を受賞され、明るいニュースが続きました。
しかし、北海道有珠山噴火・伊豆三宅島噴火・愛知県枇杷島町の洪水・鳥取県西部地震など、自然災害が多発し、地球の危機を改めて実感しました。
一方、雪印の食中毒事件など、企業の驕り・モラルが問われました。不況は深刻で、大企業が相次いで倒産し、その影響もあって失業率も4.8%に。
6月、母への供養と私自身の歴史を振り返るために、ホームページを開設し、昭和60年から始めた俳句作品を発表していくことにしました。平成12年は、私にも小さなIT革命が起こった年。早2年が経ちました。

第 12 章

月下美人

平成12年作品


は る
曇りのち雨のち晴れ間初蝶来  何もかも母への思ひつくしんぼ
たんぽぽやこんなところに空店舗 太陽の雫となりぬしゃぼん玉
ふるさとを一巡りして鳥帰る  
な つ
表札に母の名残るつばめの子 ふうわりと静岡なまり藍のれん
描かれゐし薔薇の花より風立ちぬ 暑いねと母より電話来る時刻
落し文母の返信かもしれず 月下美人星の雫となりにけり
大空を揺らしてをりぬ水すまし 美しき蝉の骸や空抱 く
あ き
虫喰ひもありてうれしき草紅葉 ふるさとを席巻したる泡立草
ふ ゆ
みかん山出でてふたたびみかん山 ことごとく天上を指す冬木の芽
雑踏に母のくさめを拾ひをり あいさつ句ばかりとなりて年惜しむ