|
|
2002年 3月11日更新 |
|
|
|
第 10 章 | 夕 桜 | 平成9〜10年作品 |
平成9年 | |
福は内鬼も内なるひとりかな | 竹林の大きうねりや初明り |
自転車を連ねて来る年始客 | 聳え立つ大観の富士初暦 |
初蝶の舞ふきつかけを探しをり | 初つばめ実習バスを追ひ越せり |
五円玉一つの重さ春愁ひ | 図書館の席引き継げり春休み |
彗星の夕桜より舞ひ立ちぬ | 毛筆で名を書きくれし種物屋 |
陽に近きより染まりゆく四葩かな | 月下美人野生に帰りたきことも |
細切れの刻を繋げて星祭 | |
平成10年 | |
初富士や駿河の人となりゐたり | 聳え立つ初富士雲を遠のけて |
雨上がり雨より生れしあめんぼう | すがれ虫今日一日を使ひ切る |
流星の残してゆきし寒さかな | |